グルタチオン点滴療法
グルタチオンはグルタミン酸、システイン、グリシンという3つのアミノ酸からなるトリペプチドです。体内でも生合成されている物質で、細胞内の毒素排出、活性酸素の消去により細胞を活性化させる働きがあります。
近年ではパーキンソン病の補助治療として注目されることが多くなりました。パーキンソン病では内因性グルタチオンの低下により脳内の活性酸素の除去が阻害され、脳の黒質に障害が起こり、ドーパミンの生成が低下します。点滴によりグルタチオンを補給することにより、黒質の障害を改善し、ドーパミンの生成を回復させます。
日本では40年以上前からグルタチオンを自家中毒、つわり、妊娠中毒、薬物中毒、慢性肝炎の治療に使用しています。
グルタチオン点滴療法を
おすすめしたい方
- ・よりパフォーマンスを上げたい健康な方から疾病レベルの方まで全て
- ・肌のくすみが気になる方
- ・これからお酒を飲む方、お酒を飲んだ後の方
グルタチオン点滴療法について
グルタチオン点滴療法の内容
目安の頻度は1~4週間に1回です。パーキンソン病へのアプローチは週1~2回から始め、改善継続時間を確認しながら徐々に投与間隔を広げます。
当院では、グルタチオンの濃度を600mg〜2,000mgまで選択することが可能です。
グルタチオン点滴療法の適応症
- ・パーキンソン病
- ・認知症
- ・シスプラチン(抗がん剤)による末梢神経障害、閉塞性動脈硬化症
- ・慢性疲労
- ・化学物質の暴露、重金属デトックス
など
治療回数・期間
グルタチオン点滴療法の回数・期間
来院頻度 | 1~4週間に1回 |
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来院回数 | 都度 |
1回あたりの所要時間 | 30分〜60分 |
禁忌
なし
グルタチオン点滴療法
に伴う一般的なリスク・副作用
発疹、食欲不信、悪心、嘔吐、低血糖、稀にアレルギーなど。
この治療での検査は問診・採血にて行います。
医療行為の中では比較的安全性の高い手技ですが、稀に合併症が起きることがあります。
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・皮下血腫
穿刺時や止血が不十分な場合に起こります。圧迫止血を行います。
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・アレルギー反応
アルコール消毒やラテックス(ゴム手袋)により、かゆみや発疹などのアレルギー症状が出現する場合があります。過去にアレルギー症状が出現した経験がある方は必ずお申し出ください。
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・神経損傷
穿刺時に手指の痺れや、いつもと違う強い痛みが起こる場合があります。このような症状が現れましたら、直ちに中止いたしますので、お申し出ください。通常の採血行為では太い神経を損傷させる可能性は低いですが一時的~数日違和感が残る場合があります。
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・血管迷走神経反射 (採血時のみ)
自律神経系が失調し、血圧や心拍数が下がることで、脳の血液循環量が低下する症状をいいます。過度の緊張、恐怖感、不安、痛みにより誘発されます。気分不快、発汗、頭痛、吐き気、めまい(たちくらみ)、極端な場合は意識消失などが起こります。院内で横になっていただくなどの対応をいたします。
グルタチオン点滴療法の注意
なし
未承認医薬品であることの
明示・入手経路等
国内承認薬である「タチオン®︎注射用」を使用していますが、高容量の投与に関して保険適用はありません。国内販売代理店経由で入手しています。
国内の承認医薬品等の有無
国内の各製薬メーカーにて製造販売しています。
諸外国における安全性等に
関わる情報の明示
アメリカではパーキンソン病の機能改善、病状進行遅延を目的として多くの施設でグルタチオン点滴療法が行われています。また抗がん剤治療による末梢神経障害、閉塞性動脈硬化症の血流改善にも有効性が認められ現在も研究が進められています。